コインチェックの例を挙げるまでもなく、仮想通貨を取引所に預けたままにしておくというのは大きなリスクがあります。ハッカーたちは取引所を攻撃するだけでなく、各ユーザーの個人アカウントも狙ってきます。頻繁に取引する資産を除いて、ホールド目的であれば自分のウォレットに移しておくのがセキュリティ対策として安心です。
ネム(NEM/XEM)の普及を推進しているネム財団がリリースしている「Nano Wallet」(ナノウォレット)はPCやスマホにインストールして使えるウォレットです。ローカルの環境にネムを保管しておくことで、ハッキングによって資産が失われるリスクを軽減してくれます。このページでは「Nano Wallet」の使い方を解説します。
少々面倒なイメージもありますが、インストールの必要もなく、日本語対応されていて、シンプルで軽量で非常に使いやすいアプリになっています。
「Nano Wallet」の使い方
まず公式サイトのダウンロードページにアクセスします。ウォレットの中にはマルウェアが仕掛けられているような危険なものもありますが、ネム財団がオフィシャルでリリースしているアプリですので安心です。「Nano Wallet」はWindows、Mac、Linux版が用意されています。ソースコードも公開されています。(スマホのモバイルウォレットもありますが、ここではPC版を解説します)
「Nano Wallet」はzip形式で提供されていますので、ダウンロードして、解凍します(ダブルクリックするだけでデフォルトで解凍できるはずです)。解凍したフォルダを開くと、次のようなファイルが含まれています。
「NanoWallet.exe」をダブルクリックで起動します。これが本体です。
起動すると英語です。右上にあるLaungageの部分からJapaneseを選択、すると日本語化されます。有志が翻訳してくれたものだそうで、有り難いですね。
新しいネムのウォレットを作成する
ここでは初めてネムのウォレットを作成する手順を紹介します。
画面の右上にある「アカウントの作成」というリンクをクリックします。するとウォレットのタイプ選択となりますので「シンプルウォレット」を選びます。最初に「各ステップは慎重に行ってください!」という文字が表示されます。特にすることはないので「準備できました」のボタンを押して開始します。
まずはネットワークの選択です。3種類選択できますが「Mainnet」を選びます。
パスワードの入力です。ここで入力したパスワードはウォレットの起動時に求められます。重要なものですので、推測されずらいものを選びましょう。また、無くしてしまうと起動できなくなりますので注意が必要です。
次のページでは秘密鍵の生成を行います。「スタート」ボタンを押した後に、マウスカーソルを適当に動かしてください。この動作を元に秘密鍵を生成しますが、ユーザーが特に気にすることはありません。自動で作ってくれます。
次のページではアカウントに関する注意が表示されます。ウォレットはきちんと保管しておく必要があります。次の画面でダウンロードできますので、ここでは「理解し同意しました」を押します。
ウォレットは「.wltファイル」という形式で作成されています。必ずダウンロードしておいてください。このファイルと前に入力したパスワードを失ってしまうと、その復元は困難です。PCが破損してウォレットが失われるというケースも数多く報告されていますので、留意してください。
さらに次のページではプレイベートキー(秘密鍵)の確認ができます。こちらも、ウォレットを使用する際に必要となってきます。「プレイベートキーの表示」で表示される文字列は保存しておいてください。
最後に「私は全ての内容を理解し同意しました」のボタンを押すとアカウント作成は完了です。
「Nano Wallet」の使い方
ログイン画面です。
ウォレットの選択という部分から先程作成したウォレットの名前が見えると思います。見えない場合は、「ウォレットのインポート」というボタンから、PCに保存してあるウォレットファイル(.wlt)を選択することで選ぶことができます。パスワードを入力して「サインイン」ボタンで、自分のウォレットを開くことができます。
ダッシュボード画面では取引履歴を確認できます。作ったばかりですので、特に何も表示されていません。
右上の「アカウント:Primary」と表示されている部分をクリックするとアカウント情報が表示されます。「アドレス」という部分に記載されている文字列が、このウォレットのアドレスとなります。取引所からネムを送金する場合に、指定するアドレスになります。このアドレス情報だけで、他のウォレットからネムの受取が可能です。
左上の「送信」というボタンからは、このウォレットに保存されているネムを他の取引所やウォレットに送信できます。「宛先」には送信先のアドレスを、「量」は送りたいネムの量を記入します。メッセージは必須ではありません。手数料は0.05 XEMとなります。パスワードはこのウォレットに設定しているパスワードです。
アドレスを間違えると取り戻せませんので、注意してください。送信も受信も少量のネムで先にテストをすることをオススメします。
以上、簡単ですが「Nano Wallet」の使い方でした。オフィシャルで用意されているウォレットの使い勝手が良いというのもネムの嬉しいところですね。