G20で仮想通貨はどう議論された? 仮想通貨規制に与える影響は?

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アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれた世界主要20か国・地域(G20)財務省・中央銀行総裁会議は、仮想通貨による資金洗浄(マネーロンダリング)への対策を各国で協調してできるかが焦点となっていました。

今回の記事では各国がどのような方向で規制に向かっていくのか、それにより仮想通貨は今後どのような方向に動きそうかまとめてみたいと思います。

今回G20で仮想通貨について話された理由とは?

以前より資金洗浄の問題点については指摘され続けられていました。

しかし昨年2017年末から2018年初にかけて仮想通貨が高騰し、新たな投資家が多く市場に入ってきたため、投資家保護や市場の健全化などの必要が出てきました。そこで2018年は仮想通貨周りの規制を推し進める国が増えてます。

しかし投資家保護はまだしも、市場の健全化に関しては、各国でルールが違ってしまうと規制の厳しくなった国で取引せず、ルールの緩い国で取引をすれば良いので根本的な解決になりません。

したがってそれらを取りまとめ各国で協調した規制が必要であると指摘され、今回G20でも議論となりました。

G20の仮想通貨への態度、今回決まったこととは?

G20全体で今回話し合われたことの概要

今回のG20では仮想通貨の問題について各国の共通認識の確認されたのみで、実際の規制に対する方向性について具体的には決まりませんでした。G20は「マネーロンダリングに関する金融活動作業部会」(金融活動作業部会/FATF)に資金洗浄に対する対策強化を求めました。

一方で、基本的には仮想通貨に対しては『禁止』ではなく健全な利用を前提とした『規制』のようです。

またG20が仮想通貨を『通貨』ではなく『暗号資産』としており、依然として『通貨』と見なすには価値の尺度、価値の保存、交換手段が確立されていない点が指摘されています。

今回議長であったフレデリコ・スタージェゼーガー氏は規制が提案されるにはより多くの情報が必要であると述べました。一方で、各国に対して7月までに規制案を提案するように求めています。

仮想通貨でマネーロンダリング、“抜け道”塞げるか 各国の協調が課題 (産経新聞)

G20閉幕 共同声明に仮想通貨に対する資金洗浄対策(朝日新聞)

規制案を提示すると公言していたフランスとドイツは?

フランスやドイツは、銀行による仮想通貨の預託とローンとそれに基づく一般市民への投資勧誘禁止などを提案していましたが、そのような特別な措置の方向性を取ることについてサミット参加者の同意が得られたとされています。

しかし一方で、フランスのブルーノ・ルメール財務大臣は「我々は技術革命の傍観者ではなく、アクターにならなければならない」、「仮想通貨は敵ではない。我々の経済の1つである」と規制は必要としながらも容認の姿勢を示しました。

France “Become Actors in the Crypto Revolution,” Embrace ICOs, Says French Finance Minister

今後の仮想通貨の規制の方向性とは?

当初仮想通貨規制の強硬派と見られていたフランスの財務大臣が仮想通貨に容認的であり、仮想通貨を禁止ではなく、あくまで健全な経済活動を行うための規制とする方向性についてサミット参加者の4分の3程度が合意したとのことで、仮想通貨を全面的に禁止するのは技術的に現実的ではありませんし、政治的にも行われる可能性は低そうです。

しかし規制が当面見送られる形になったことは仮想通貨にとっては芳しくありません。理由としては仮想通貨があくまで『資産』であり『通貨』ではなく、経済や金融システムに与えるインパクトがまだまだ小さいことを暗に示しているためです。実際に直近のピーク時ですら市場価値は世界のGDPの1%未満となっており、仮想通貨保有率の高いと言われる日本人で5%、米国で8%にとどまっています。

共同声明では次のように述べられています(和訳)。

私達は仮想資産(Crypto-Assets)を含む技術的な革新が、金融システムや経済の効率性や包括性をより広範に改善すると認めます。一方で仮想資産は、消費者や投資家の保護、市場の完全制、税金の徴収、脱税、マネーロンダリング、テロ資金への対策など様々な問題を提起します。仮想資産は法定通貨が持つ重要なポイントを幾つか保持していません。また、いずれかのタイミングでは金融の安定性に影響を与える可能性があります。私達はFATFの基準に仮想通貨も適合させるつもりで、FATFがレビューを実施し、国際標準に組み込んで行くことを楽しみにしています。また私達は国際標準化機関に対して仮想資産のモニタリングやリスクの監視を継続し、必要に応じて多国間での協力を推進していくことを求めます。

今後の議論がどのように展開するのか注目が集まります。

G20で発表された共同声明(英語)

G20 Official Site