東京ゲートウェイ、リップルネットワークでの取引懸念から仮想通貨交換業の申請を取り下げ撤退へ

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資金決済法の仮想通貨交換業に基づく「みなし業者」として営業を続けていた、東京ゲートウェイが29日、登録申請を取り下げ、業務を停止すると明らかにしました。今後は出金業務のみを継続することになります。

東京ゲートウェイはリップル(XRP)のネットワークである「XRP Ledger」へのゲートウェイの業務を行っていた事業者であり、日本円や仮想通貨を預けることで、リップルネットワークのXRPや仮想通貨IOUの売買が出来る仕組みを提供してきました。

元々の社名は東京JPY取引所でした。

XRPのゲートウェイとは

ゲートウェイはXRPのネットワークであるXRP Ledgerを他の世界と接続する事業です。このゲートウェイには3つの種類があります。

・発行ゲートウェイ
XRP Ledgerの外でユーザーの資産を預かり、XRP Ledgerで利用できる資産に交換する。これによってユーザーはXRP Ledgerへの資産の出し入れができるようになる。XRP Ledger上ではXRP以外の仮想通貨は全てゲートウェイに紐付けられた「仮想通貨IOU」の形を取る。

・プライベート交換所
XRPを保持して、自社のユーザーとの売買を行う販売所。大部分の仮想通貨はプライベート交換所に依存しているが、XRP Ledgerはプロトコルで交換所がカバーされている。

・マーチャント
XRP Ledgerを通じた決済を導入した事業者。

https://ripple.com/build/gateway-guide/

東京ゲートウェイはこのうち発行ゲートウェイとして活動していました。

XRP Ledgerはオープンなネットワークであり、様々なゲートウェイ業者を通じてユーザーが参加します。そこではネイティブトークンであるXRP以外にも、様々な仮想通貨のIOUが流通しています。IOUとは”I Owe You”の略であり日本語では”借用証書”と約されます。ゲームウェイ業者に紐づくIOUが流通し、ネットワーク内で取引が行われています。ネットワークから引き出す際にはゲートウェイ業者が法定通貨や実際の仮想通貨に交換してくれますが、ネットワーク内では借用証書が取引されているという形です。

申請断念の理由

東京ゲートウェイでは仮想通貨交換業への登録申請を取り下げた理由について詳細に明らかにしています

それによれば、ゲートウェイ事業がそもそも仮想通貨交換業に該当するかどうかで議論があったそうです。ゲートウェイ事業は円をXRP LedgerでのJPYに交換する事業であり、その他の取引所とは趣が異なります。ただ、この点では仮想通貨交換業に該当するとの理解が得られた、と同社は述べています。

しかし懸念が解決されなかったのは、XRP Ledger上での取引という特性に係る部分だったようです。

(1) XRP Ledgerには様々なゲートウェイを通じてユーザーが参加するため、取引の相手方の個人情報を特定できない。

(2) 東京ゲートウェイのユーザーが他社のゲートウェイ事業者が発行する「仮想通貨IOU」を入手できる。

これらはいずれもリップルプロトコルの根幹に関わる問題で、事業者としては対処の仕様がないという結論だったようです。

ゲートウェイ事業は日本では成立しない

リップルネットワークへのゲートウェイ事業の根幹が否定される形となったことで、日本ではゲートウェイ事業は成立しないことが確定的と言えそうです。

東京ゲートウェイと同じくゲートウェイ事業を行っていたMr.Exchangeも東京ゲートウェイと同時に仮想通貨交換業者への登録申請を取り下げたことを明らかにしています。

業務継続を断念した国内最大のDEX(分散型取引所)、ミスターエクスチェンジ

東京ゲートウェイは、申請取り下げを伝えるニュースで「我々は延べ4年以上もゲートウェイ事業を行っており、利用者の皆様にご不便をおかけしたことはあっても、決定的なご迷惑をおかけしたことはないと自負しております。」と述べると共に、リップルやリップルゲートウェイの有用性については大きな可能性を見出していると強調し、無念さを滲ませています。

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