仮想通貨マイニングに特化した「ASIC」の特徴と懸念される点とは?

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仮想通貨の発行や取引の不正を防ぐため、有志の協力者が過去の取引履歴のデータとの整合性を取りながら、取引の承認・検証作業を行うことをマイニングと呼びます。

マイニングでは有志の協力者のコンピューターリソースを使うため、協力者に対して報酬として仮想通貨が払われます。

ここから通貨の採掘という意味でのマイニングという名前が付けられました。

ASICとは?

ASICとは”Application Specific Integrated Circuit”と呼ばれる、特定用途向け集積回路です。

この中でもマイニングに特化した集積回路によるマイニングが昨今増えてきています。

通常のCPUに比べてハッシュパワー(計算能力)が大きく、処理速度当たりの消費電力が低く抑えることができ、効率的にマイニングすることができるものとなっています。

中国のビットコイン向けASIC大手のBitmain社のASIC

ASICによるマイニングの問題点とは?

ASICの開発が進んできたことで、一般的なコンピューターではなく高額な機器が必要になり、特定の一部のユーザーしかマイニングで収益を上げることができなくなります。

元々分散化を目的とした仮想通貨にとって、ASICにより仮想通貨マイニングの中央集権化することは本意ではなく、マイニングの形式上、特定ユーザーがマイニングシェアの51%以上を取ることができるようになってしまうと不正があっても是正できなくなるため、危険であると言われています。

実際にASICを使ったマイニングで有名なBitmainの昨年の収益は30億~40億ドルとなり、BTCマイナーとASICの市場の70~80%を占めると推定されました。

広く分散された形でのマイニングが仮想通貨としては望ましく、そのためにはASICへの対策の必要性については議論が始まっています。

それを改善する仮想通貨側の対策例

モネロ(XMR)

モネロは集権化されたハッシュパワーを拒否するため、コインのプロトコルを6ヵ月ごとに変更するとの発表をしました。

ASICの対応策として4月6日に緊急のハードフォークを行うことを発表しています。

これにより中央集権化されたマイニングを防ぎ、非中央集権が必要な仮想通貨としての価値が損なわれるのを防ぐとしています。

イーサリアム(ETH)

イーサリアム創設者の1人となるVlad Zamfirによる投票により6903人の投票者のうち、57%がイーサリアム対応ASICを利用したマイナーを排除するためのハードフォークへの賛同が集まりました。

この後3月30日にGithub上でイーサリアム・インルーブメント・プロポーザル(EIP)を開き、イーサリアムASICを無効化するためのETHプロトコルでハードフォークを行う可能性について提唱しています。

このイーサリアムのASICの独占を防ぐための調査が行われた波形にはモネロが集権化された、ハッシュパワーを拒否する発表を行ったことを受けた対応であると指摘されています。

まとめ

ビットコインをはじめ多くの仮想通貨でマイニングのハッシュレートが価値の裏付けになっていると言われているため、マイニング事情を追うことは必要になります。

今回のモネロハードフォークと今後のイーサリアムのハードフォークへの言及により、ASICのマイニングに通貨側から対策を行うことでマイニングの収益性を下げることになりましたが、特定のマイナーがマイニングを独占するのを防ぎ、より分散化された通貨を目指すものとして、今後その他の通貨でも選択肢として考えられていくと考えられます。

中央集権化の規制のみですと通貨の価格としては下がる可能性が高いですが、一般ユーザーのマイニングのハードルを下げるアップデートがあれば通貨の価格は上がる可能性があります。