仮想通貨の売買によって得た利益は確定申告で雑所得として申告しなくてはなりません。国税庁は
という資料で情報をまとめています。ここでは少々分かりづらい仮想通貨の納税の仕方や税額についてまとめます。
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仮想通貨の所得の扱い
仮想通貨の売却益は雑所得として分類されます。利益を計算するタイミングは、
1.仮想通貨を売った場合
2.仮想通貨でモノやサービスを購入(決済)した場合
3.仮想通貨で、仮想通貨を購入した場合
となっています。
(2)(3)について補足します。
2.仮想通貨でモノやサービスを購入(決済)した場合
支払いに使った仮想通貨は1回利確扱いになり、その時に発生した損益に応じて課税されます。
例えば10万円で買ったビットコインが100万まで値上がりして、そのビットコインで100万円の商品を購入した場合では、
100万円(今のBTC価格)―10万円(買った時のBTC価格)=90万円
上記のように計算し90万円が課税対象になります。
3.仮想通貨で、仮想通貨を購入した場合
基本的には②と同じ仕組みなので例のみの紹介にさせていただきます。
例えば同じように値上がりしたビットコインでリップル30万円分を買った場合では、
{100万円(今のBTC価格)-10万円(買った時BTC価格)}×0.3(100万円のうち30万円をリップルに換えたため)
=27万円
上記のように計算し、27万円が課税対象となります。
次の章では実際にかかる税率を所得別に一覧で見てみましょう。
所得税率はいくらなの?税率一覧表
その他の所得と合算して最高税率になるのは4000万円以上となっており、900万円までは23%でここまでだとFxの一律20%と税率はほとんど変わりません。
後述しますが損益通算などの通常の事業所得とは違い、税率だけではなくその他の部分で仮想通貨の税制が不遇であると言われています。
仮想通貨取引のその他の不遇な点について
一方でその他の部分でも税制が一般の投資商品に比べると不遇であると言えます。
事業所得などその他と違う点としては
1.損益通算ができない
2.損失を翌年以降へ繰り越しできない
3.特別控除がない
などがあります。
1.損益通算ができない
赤字になった場合、事業所得などではその他の不動産所得など他の事業との利益で通算して節税をすることができます。
しかし仮想通貨取引は雑所得に区分されるため、取引で赤字になってもその他の所得と相殺することができません。
例えば仮想通貨取引で100万の赤字となり、給与所得で400万円もらっていた場合には400万円がそのまま課税対象となり相殺はされません。
2.損失を翌年以降へ繰り越しできない
通常、事業所得などでは赤字を翌年以降に繰り越すことができるのですが、雑所得の場合はこれができません。
たとえば前年200万円の赤字、今年に300万円の黒字となった時に雑所得の場合は前年の200万円の赤字はそのままで今年の300万円の黒字がそのままに課税対象になります。
3.特別控除がない
事業所得などでは青色申告で申告した場合には、青色申告特別控除により利益から控除される優遇制度がありますが、雑所得にはありません。
所得税などでは下記のように経費に加えて課税金額を減らすことのできる控除がありますがないためこの点でも不遇になっています。
まとめ
あくまで現状タックスアンサーとなっているため確定ではないのですが、かなり不遇な状態であると言えます。また取引記録の照会など制度を知っていても納税には骨が折れるので、様々な納税支援ツールが登場しています。ぜひチェックしてみてください。