「コインチェック被害対策弁護団」についてまとめ、集団訴訟に参加すべきか? 他の手段は?

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1月26日にコインチェックが管理している口座から時価で580億円相当のネム(XEM)が流出した事態を受け、同社では同日から順次取引を停止し、2月3日現在でも仮想通貨の取引や日本円の出金など大部分のサービスが停止しています。

翌27日には被害にあったネムについては、売買停止時から発表時点までの加重平均をとり、1XEMあたり88.549円と換算し、日本円で返金する方針を明らかにしました。コインチェックは自己資金で賄うとしていますが、その時期は明らかにされていません。

金融庁は態勢が不十分だったとして、業務改善命令を出し、2月13日までに顧客への対応やシステム管理の改善等について書面で報告するよう求めています。さらに2月2日にはその回答を待たず、立ち入り検査に踏み切り、財務内容やセキュリティ対策について確認を行ったとされています。

コインチェックでは自己資金で補償が可能であるとしていますが、金融庁の立ち入り検査も行われたことで、財務的な問題があるのではないかと懸念する声も広がっています。

「コインチェック被害対策弁護団」が結成

そのような中、ITや金融に強い弁護士5名が集まって「コインチェック被害対策弁護団」が結成され、コインチェックに対して早期補償を求める集団訴訟を行うことを明らかにしました。

弁護団長 北周士(東京弁護士会)
事務局長 望月宣武(東京弁護士会)
幹事 田畑淳(神奈川県弁護士会)
幹事 長谷見峻一(第二東京弁護士会)
幹事 野田隼人(滋賀弁護士会)

訴訟に参加する条件は、コインチェックに口座を開設していて、事件発生時にネム(XEM)の残高を保有していたことです。2月上旬までの依頼者をまとめて、2月中には第一次訴訟の提訴を行う計画です。現在問い合わせが殺到しているため、メールフォームの利用を呼びかけています。

料金はどれくらいかかるのか?

弁護団の参加には着手金及び報酬金が必要です。着手金については請求額1000万円まで2万円(実費込・税別)、以降1000万円ごとに2万円となります。金額は事件前日の終値を基準とするとのこと。報酬金については、コインチェックの対応に応じて決定するとしています。

コインチェックの破綻を早める可能性は?

事件の収拾に向けて動いており、自己資金での補償を表明しているコインチェックに対するこのような大規模な訴訟は、事件の解決を遠ざけ、ややもすると破綻を導くのではないかと危惧する声もあります。その点について弁護団は、

第一弾訴訟では,契約にもとづき預けていた分の引き渡しを求めるに過ぎません。また,コインチェック社から返還・弁済のある場合には順次取り下げをする予定ですし,コインチェック社から猶予を求める提案があれば合理的なものである限り検討対象といたします。

とFAQで答えています。また、弁護団に参加している野田弁護士もツイッターで次のように述べ、コインチェックに対して良いプレッシャーになれば良いともしています。

果たして参加すべきか否か

筆者も悲しいことに、コインチェックの口座にネムを預けていた26万人のうちの1人なわけですが、弁護団に参加するか否かという観点で考えてみました。

経済的な利益を考えれば、着手金2万円が必ず必要になりますので、預けていた資金に対してどうかという話になります。2万円しか預けていなかったとしたら、着手金だけでトントンですので、良い選択とは言えないかもしれません。

ただ、それだけではない面もあります。弁護団も掲げているのは「この事件の解決を通じて健全な仮想通貨の投資環境を整えること」です。仮想通貨の一人の投資家として、このような理念に賛同し参加するというのは、例え経済的な利益を差し置いたとしても前向きな話です。

非常に高額な資産を預けていた方については、自身の資産の保全のためにこうした法律的なアプローチを取ることは必要だと思われます。ただし、選択肢は当弁護団に限られているわけてばありません。

その他の被害救済への動き

既に複数の法律事務所が、コインチェック事件への相談に乗る旨を表明しています。弁護士法人ITJ法律事務所はウェブサイトで、相談が急増しており、コインチェックにに対して損害賠償請求を行う予定としています。

金融庁でもコインチェックの事件の以前から、相談やトラブルが増えているとして、「仮想通貨に関するトラブルにご注意ください! 」という資料を公表、困った時の相談窓口を紹介していますので、チェックしてみてください。

ネム以外の資産を預けていて、資金がロックされてしまっていることから損害を被っている人も含めて、自分の問題として早期のアクションを考えてはいかがでしょうか?